治療を愛しているのに患者を愛していないのではありませんか? | ミッシェル・グリーン

治療を愛しているのに患者を愛していないのではありませんか?

カテゴリー:日記
2015年8月20日

治療院を成功させるには、先生の治療の技術を社会に役立て、地域社会から必要とされる治療院へとなること、そのための手法として、交通事故の施術は良い方法といえるかもしれません。ですが、最近では「交通事故の患者を集客し売上を増やして収益を上げるにはどうすればいいか」「自費で高単価にして院の生産性を上げるにはどうすればいいか」など、収益を上げることに着目した話が多く聞かれます。治療とその生産性、そこから生み出される売上。それだけに集中してしまってはいないでしょうか?

全員ではありませんが、中には目先の売上を重視するあまり、交通事故を待ち構えているような集客になってしまい、患者さまから「よく交通事故やってるね」と言われてしまわれている治療院もあります。そうした先生は、ちゃんと治療しているとおっしゃいます。実際、治療に関しては結果を出されております。ですが、生産性を学ぶばかりに本当に大切なことを見落としてしまっているのように思われる先生も中にはいらっしゃいます。

お金は大切なものです。お金じゃ買えないものもありますが、ほとんどのものはお金で買えてしまうというのも事実です。治療院の経営もビジネスですので、売上を得るために集客することは必要になりますし、それを間違っているとは言えません。ですが、治療家業界のトップで活躍されていらっしゃる方々は、売上は手段として、もっと別に伝えたいことがあるように感じます。

今回は業界のトップ中のトップの方が伝えたいことを一部、ご紹介させていただきます。

 

自身の目標達成が一番になっていないか

何かを成すには、目標を設定することが一番の近道です。ですが、自身の目標の達成を重視するあまり、その目標がなんの為にあるのか、長期的な視点でのもっと大きな目標を見失ってはいけません。経営の一番近い目標というのは売上、集客数でしょう。新しい顧客が増え、その月の売上が増えることは、効果が目に見えて分かりやすい目標です。

ですが、忘れてはいけません。新しい顧客を獲得することは、同じ顧客にまた来てもらうより、ずっと先生のお時間、エネルギー、そしてお金を消費してしまいます。集客数は伸びているのに収支は思ったより良くない、なんて時は、集客ばかりに目を向けすぎて、患者さまを見ていないのかもしれません。新規顧客獲得は大切ですが、どんな組織にとっても一番難しいことです。収入を増す一番簡単な方法は、同じ患者さまが何度も先生の治療院に足を運びたくなるよう、満足してもらうことです。

治療を愛すると先生と患者さまとの関係の、ただ一つの問題は、お二人の関係がいつも一時的関係という性質を持っていることです。症状の改善で結びついている関係ですので自覚症状が無くなったら、先生との関係が途切れてしまうこともあるのではないでしょうか。

 

気が付くと治療以外見えなくなっていないか

職人気質は日本ではポジティブなイメージがあります。ですが、治療家は人と触れ合う業種です。あまりに職人気質が強すぎて、患者さまという人間ではなく、治療対象としか見えなくなっていることが無いでしょうか?

治療院では、患者さまを治療すると同時に、患者さまにここに来てよかった、これからも先生の施術を受けたいと思ってもらうことが最上です。新しい患者さまが来院されたら、先生の役割は治療費を受け取るために治療するという関係から、患者さまを見て、患者さまにとって何が一番最善の利益になるのかを考え、それを与えようとする関係に変わります。

ただ単に売上がほしいからではない、患者さまをもっと違ったレベルの尊厳と配慮で扱い、患者さまが何を求めているのか、患者さま自身が知っているのと同じか、それ以上に知るのです。そして常に、患者さまが求めていることを満たすために、一生懸命治療します。

こうして築かれた信頼関係は、一時的なものではなく、ずっと長い付き合いへとなっていきます。職人気質なのは悪いことではありませんが、バランスが大切です。

 

売上を最優先にしていないか

売上の数字はビジネスの基本です。何をするにも、売上を基準にして治療院にとってプラスになるかを考えるのは基本として抑えておくべき大切なのことです。ですが、基本であって、絶対ではありません。売上ばかりを見ていると、長期的なビジョンが見えなくなっていることがあります。患者さまとの関係もそうです。

患者さまとの関係を重視し患者さまの最善の利益をいつもの心に留めておくようにし、長期的な関係を築きましょう。それが長期的にみたときに、もっとも売上が増大する方法になるのです。

 

長野県に中央タクシーというタクシー会社があります。

長野に住んでいらっしゃる方や、長野に行ったことがある方はご存知かもしれません。

タクシーといえば駅前のタクシープールに並んでいたり、街を乗客を探しながら流しているというイメージがありますが、中央タクシーは、タクシープールに入ると何時間も客を乗せない時間ができてしまうので客待ちはしないという方針です。ではどうやって乗客を得ているのかといいますと、予約ですぐに当日の予定が決まってしまうそうです。たとえ1時間待ちになっても中央タクシーを利用したいという、根強いファンが沢山いるのが中央タクシーの強みです。そのため、街を乗客を探して流すこともほとんどしません。

中央タクシーはただ乗客を目的地まで乗せるというタクシーの役割に加えて、高齢者にはさっと手を貸し、さりげなく買い物袋を運び、雨の日には傘をさす。例え300メートルの近距離でも喜んで運行する、脚が悪いのかもしれないし体調が優れないのかもしれない、その乗客にとっては300メートルはタクシーが必要とされている300メートルだとスタッフ全員が理解していることが中央タクシーの人気の秘密だそうです。中央タクシーの業績は同じ長野県のタクシー会社の平均の二倍で、一台当たりの月間売上も県一位です。

 

患者さまと強い信頼関係を築く7つの戦略

ではどうやって患者さまとの関係を築いていけばいいのでしょうか。治療院業界のトップの方は7つの戦略を持っているといいます。

 

1 宣伝する以上の成果をだす

先生が実際に与えるものと、宣伝した際の価値の比率は3:1、もしくは4:1を目指しましょう。想像していたよりずっと良かった、という感情は強い信頼へとつながります。

 

2 患者さまをより良い状態に導く

もちろん治療の技術も重要です。

 

3 大当たりと変わりやすい強化を創作するための原理を使いましょう

「うまくやるための強化の原理」の著者、カレン・ブレイアは行動を強化、治療院の場合患者さまが先生の施術を受けたいと思う意思を強化する方法として「大当たり」の原理について話しています。 それは「ある人の、特定の行動を強化するためには大当たりをプレゼントし、その人が喜んでいるときに、アナタがして欲しい行動を取ってもらうことだ」ということです。予期せぬサプライズは、とても嬉しいものです。

 

4 自由で透明である先生でいましょう

もし何か上手くいかなくなっても、患者さまに何が起こったのか正直に、誠実に報告しましょう。そして、新しい方法を申し伝えるときには、患者さまにとってどういう意味があるのかを明確に説明してあげてください。

 

5 最高の顧客となる患者さまには特別であることを伝えましょう

いつも利用していただける患者さまには治療に加えて、特待権、割引券など価値のあるもので、特別であることを伝えましょう。

 

6 スタッフの誰もが常に患者さまに満足してもらえるよう、構造とシステムを構築しましょう

先生ができるのはもちろん、スタッフの誰もが患者さまを満足できるような治療院にしましょう。

 

7 なんでもできるかぎり還元しましょう。あなたの患者さま、業界、そして社会全体に

そうして得た信頼は、かならず先生に返ってきます。

 

生産性を学ぶばかりに本当に大切なことを見落としてしまっているのではないだろうか

経営者と治療家、その二つの間で成功するために学んでいると、生産性にどうしても目がいってしまい、大切なことを見落としてしまうことがあります。自動車会社は、車を愛すると同時に車に乗る顧客も愛します。携帯電話のメーカーは、携帯電話の技術を愛すると同時に携帯電話を利用する顧客も愛します。それができる企業が、たくさんのライバルたちを抑えて成功をおさめることができます。

治療院の先生は、治療を愛していらっしゃる方は多いです。より良い治療の技術を学ぶために努力を惜しみません。ですが、その治療を愛するように、それを受ける患者さまを愛することも、治療院の経営者にとっては大切なことです。

磨いてきた治療の技術、その技術を活かすための生産性。どちらも重要ですが、同時に患者さまを第一に考え信頼関係を築く。交通事故の施術ならば、事故の治療が終わった後も、身体のことについて相談される間柄になる、そうすることが長い目で見た時にもっとも大きな成果を上げることができます。

「治療院は治療の生産性に基づくべきではなく、患者さまに基づくべき、あなたが常に患者さまを満足させる方法を見つけようとするところには、愛、崇拝、配慮、理解、そして共感がある」

業界トップの方がもっとも伝えたかったことは、集客方法でも売上の上げ方でもなく、この哲学です。


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