成功する治療院の3ステージモデルその3「来院後ステージ」 | ミッシェル・グリーン

成功する治療院の3ステージモデルその3「来院後ステージ」

カテゴリー:マーケティング
2015年9月3日

患者さまが治療院で先生の施術を受けて、治療院をあとにするまで、3つのステージモデルに分解して考えます。

最初は、「来院前ステージ」。症状で悩む方が、インターネットやチラシなどで先生の存在を知り、治療院に行こうと決意するまで。
次に「接遇ステージ」。患者さまが予約し、家を出て来院、そして施術を受けて料金を支払うまでです。
最後は「来院後ステージ」。施術の結果がどうだったか、満足できたか、また何かあったら来院するべきかなど、患者さまが先生と先生の治療院を評価するステージです。

この3つのステージに分けることで、どこをどう改善するのがいいのか分かりやすくなります。
前回は「来院前ステージ」「接遇ステージ」について解説しましたが、今回は、この3つのステージの最後、「来院後ステージ」について解説していこうと思います。

 

期待と顧客満足度

「顧客満足度」とは、「接遇ステージ」を終えた後の「感じ方の判断」です。来院前ステージで持った期待が「接遇ステージ」でどれだけ応えられたか、比較された結果が「顧客満足度」となります。この顧客満足度がサービスでは重要になり、顧客満足度が高い患者さまは先生を信頼し、今後も先生の治療院を利用しようと考えるリピーターとなります。

成果が期待を下回れば、患者さまは「失望」します。期待を上回れば「満足」します。そして、もし成果が期待をはるかに超えた場合「顧客歓喜」という結果になります。

 

顧客歓喜

顧客歓喜とは「スゴイ!」だったり「感動した!」だったり、治療院を利用した患者さまの心を強く動かすことになります。「満足」が期待に応えられた感情ならば、「歓喜」は思いもよらないほどの成果だったと言えます。

歓喜を感じた患者さまは、リピーターになる可能性が高くなります。レストランなどでもそうなのですが、特に自分の身体を任せる治療院だからこそ、新しい治療院を開拓するより、歓喜の感情を抱いた一つの治療院を継続して利用するほうが安心できると患者さまは感じます。そうした患者さまは、他の治療院でしかできない施術が無い限り、先生の治療院を利用し続けるでしょう。

 

小さなケーキ

顧客歓喜は引き起こすのは先生の施術がもっとも重要ですが、施術の効果だけで決まるわけではありません。期待と成果を比較した結果なので、成果だけを見て施策を行っても、思うように顧客歓喜を引き出すことはできません。

 

顧客歓喜の例として、ある喫茶店の話があります。

ある小さな喫茶店がありました。経営者兼マスターの店主とウェイトレス2人が働いている小さな喫茶店で、古い日本家屋を買い取りリフォームし、和モダン感のあふれる雰囲気の良いお店でした。お菓子作りが趣味だったマスターの作る手作りケーキは美味しいと一部の利用客には評判でしたが、それでもよくある喫茶店の一つで、特筆してほかの喫茶店より優れていえるようなサービスは提供していませんでした。

ある日、マスターはランチタイムのアフターコーヒーセットまで注文した客に、「小さなケーキ」をつけるサービスを思いつきました。

マスターはケーキが一番自信があったのですが、その喫茶店でケーキまで注文する人はあまり多くなく、それを不満に思っていたので、ランチのサービスとして活用できないかと思ったようです。値段はそのままですので、ケーキは本当にささやかな一口か二口程度のとても小さなサイズでした。

ですが、食後のコーヒーを出すときに、「これはサービスです」と小さなケーキを出すと、お客はとても喜んでくれました。もっと思いがけないサービスに「歓喜」したのです。これに気を良くしたマスターは、このサービスをもっとアピールしようと、メニューに「サービスランチセット・ケーキ付き」と書きました。

…状況は一変しました、残念ながら悪い方に。

以前と同じように「これはサービスです」と小さなケーキを出すと、ほとんどのお客が「えっ、こんなに小さなケーキなの?」と不満そうな顔をします。中には、ケーキはいらないから値段を安くしろというお客まであらわれました。メニューに書いてしまったことで、ケーキが「期待」に含まれてしまったのです。

顧客歓喜の2つの要件

 ① 期待を超えるサービスの成果
 ② 楽しみや喜び、幸せなどのプラス感情の効果

この2つの要件が、顧客歓喜を作り出します。つまり顧客歓喜は「期待以上の成果」と「プラスの感情」で達成できると言えます。

ただし、「顧客歓喜」は次回への期待を生みます。一度限りのサービスで「顧客歓喜」を作り出した場合、通常のサービスでは患者さまは不満を感じることもあります。その不満を治療院から離れない態度に抑えるというのも有効なマーケティング戦略ではありますが、「顧客歓喜」だしたサービスを常に続けることができれば、患者さまを維持しつつ、さらに他の患者さまにも次々に「顧客歓喜」を作り出しすことができるでしょう。

 

「接遇ステージ」と「来院後ステージ」

基本的に「来院後ステージ」では患者さまと先生とが触れ合うことがないため、患者さまが次も治療院を利用しようと思うかどうかは、「来院後ステージ」に入ってからは変えられません。「接遇ステージ」での結果がこの「来院後ステージ」に影響するのみです。

ですので、ここの対策は「来院後ステージ」で患者さまがどう感じているのか、アンケートやホームページによせられた問い合わせの数、リピーター率から把握して、他のステージへ反映させることが、「来院後ステージ」の対策です。

とはいえ、「来院後ステージ」になってから情報を集めるのはなかなか難しいものです。可能な限り「接遇ステージ」の間に患者さまに不都合が生じている状況を把握することが重要になります。「接遇ステージ」であれば、患者さまに生じていた不都合をリカバリーすることができます。

「来院後ステージ」で注意すべきは、一人の患者さまに生じた不都合よりも、沢山の患者さまに不都合を生じさせている治療院のシステムの問題を見つけることです。もしそのような不都合が先生の治療院に起きているのなら、治療院のシステムの再設計や改善が必要になります。

 

成功する治療院の3ステージ・モデルまとめ

「来院前ステージ」では、期待が生まれます。もし期待が他の治療院より低ければ、患者さまは先生の治療院を選びません。
「接遇ステージ」では、成果が生まれます。施術の内容だけでなく、治療院のシステムや雰囲気、患者さまの行動までもが成果に関わります。
「来院後ステージ」では、評価が生まれます。期待と成果、そして治療院での感情によって、患者さまがまた先生の治療院を利用したいか、リピーターとなるかが決まります。

治療の技術は、治療院におけるサービスの中核となるものです。ですが、あくまで重要な要素であって、成功する治療院にはそれ以外にも様々な要素が影響を与えます。「期待」と「成果」、そして「評価」。成功する治療院は、この流れを自覚してか、それとも無自覚でも感覚的に理解し、治療院のシステムを構築しています。そのような治療院は優れた治療の技術だけでなく、優れたマーケティングを持っていらっしゃいます。

ただ個人的な意見を言わせていただけば、患者さまにとっては優れた治療の技術によって苦しんでいる症状を確かに改善してくれる技術をもった先生と出会えることが、一番の幸福です。技術を持つ先生と、先生を必要とする患者さまを巡りあわせ、そして先生の良さを理解していただく方法が「治療院の3ステージ・モデル」です。


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