バナー・ブラインドネス、無視される広告 | ミッシェル・グリーン

バナー・ブラインドネス、無視される広告

カテゴリー:マーケティング
2015年9月11日

インターネットの広告を作るデザイナーを悩ませるのが「バナー・ブラインドネス(banner blindness)」という現象です。直訳すると、「バナーを視認できない」という感じの意味になります。これは、ホームページ上に表示されるバナーを「ユーザーが全く認識していない」という現象です。

インターネットマーケティングにおいて、非常に重要で頭を悩ませることになる問題です。

バナーとは、インターネットでよく見かけるリンク付きの広告画像です。クリックすると広告元に飛ぶことができ、画像は見る人の興味を引くような目立つ色彩やちょっとしたアニメーションなどで工夫されています。そういった色や動くものに、人間は視線を向けやすいということは科学的にも実証されています。

しかしながら、様々な研究機関が、インターネットサイトを読むとき、ユーザーの視点がどのように動くのかをチェックしてみると、注意を引けるはずのバナーが、素通りどころか一瞬しか留まらず、完全に意識の外にあるというケースが多いことが分かりました。

 

ディスプレイ広告を無意識に無視するユーザー

ユーザーは意識して広告を見ないようにしているのではありません。「ブラインドネス」、そもそも見ていないのです。

バナーに対してユーザーは無意識に、ここにあるのは無関係な情報だと考え、認識すらしていません。ユーザーにとって、バナー画像は「ただバナー画像である」というだけの情報しか届いていないのです。これまで、インターネットを利用してきた経験が、バナーは無意味な情報という認識を作ってしまっているのではないかと考えられています。

2009年に発表されたレポートによると、「84%のユーザーは、一ヶ月の間に一度もバナー広告をクリックせず、バナー広告クリック数の67%は4%のユーザーによって占められている」とのことです。つまり、バナー広告で得られるユーザーは限られている、という考え方ができてしまうのが、この「バナー・ブラインドネス」です。

 

テキストリンクの再評価

解決策としてテキスト中心のリンクが再評価されています。リンク先の内容をコンパクトにまとめたテキストリンク、画像はアイキャッチャーとなるワンポイントに留める。興味を引くための要素は減少しているのですが、ユーザーの目に留まる頻度は上昇するという結果になったそうです。

目に留まりさえすれば、あとはユーザーのニーズにマッチすればクリックされることになります。より効果的で魅力的なテキスト表現ができている広告ならば、より多くとユーザーを惹きつけることができるでしょう。

 

広告をホームページに溶けこませる「ネイティブ広告」

別の解決策として新しい広告を考える人もいます。マーケティングは、消費者の購買プロセス「認知」、「興味」、「比較検討」、そして「購入」という漏斗(ろうと)の形で表したモデルで考えられます。その第一段階である「認知」でつまづいては、「購入」まで辿りつけません。この課題にぶっつかった多くのマーケターが、それを解決する一手として注目しているのが「ネイティブ広告」です。

「ネイティブ広告」は、ホームページの情報と広告の情報を自然に溶け込ませる手法で、ホームページデザインと合わせたり、掲載位置がホームページの情報と同じ位置になっているといった特徴があります。ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどで使われている広告がネイティブ広告一種です。

 

価値のある情報が重要に

バナー・ブラインドネスによって、せっかく広告が見てもらえないことがあります。しかし、バナー・ブラインドネスの中でも絶対に見てもらえるものもあります。それはユーザーが探しに来た情報そのものである、メインコンテンツです。

整骨院、接骨院、整体院の先生が持っていらっしゃる情報は、多くの人にとってとても価値のあるものです。現代人にとって、身体の痛みや悩みというのはとても身近な問題で、とても関心の強いテーマです。ユーザーが求めている情報ならば、テキストであっても画像であってもユーザーは情報が自分にとって価値のあるものか、視認して判断しようとします。

負担の掛からない姿勢、ちょっとしたストレッチ、身体に症状があらわれた時にどうすればいいかというアドバイス。痛みや悩みから解放されようと情報を求めてやってきたユーザーは、先生の情報を真剣に読みます。

ホームページやブログ、SNSによる情報の発信は、バナー・ブラインドネスに関係なくユーザーに届きます。そして、ユーザーにその情報を見つけてもらい、そしてこれが自分の探していた情報だと思ってもらうには、発信する情報が「価値」持っていることが重要です。

大手の広告媒体に広告費用を支払い、たくさんの場所にバナーを設置するというのも有効な戦略ではありますが、ホームページを作り、そこに価値のある情報を配置するというのは、とても有効な戦略です。ブログ、SNSによって新鮮な情報を発信し、そこで先生に興味を持った方々がホームページを訪れ、先生の治療院について詳しく知る……という流れができれば、ホームページの価値はずっと高い物になるでしょう。


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