小企業のマーケティング戦略? 「ゲリラ・マーケティング」 | ミッシェル・グリーン

小企業のマーケティング戦略? 「ゲリラ・マーケティング」

カテゴリー:マーケティング
2015年9月24日

ゲリラ・マーケティングとは低コスト、だけど型破りな方法で見る人の目を惹きつけるタイプの広告戦略です。アイディアで勝負できるため、経営規模の小さい中小企業向けのマーケティングといえます。

ゲリラ・マーケティングという名前の由来は軍事用語の攻撃目標となる敵を定めずに、戦線外の場所で臨機応変に奇襲、待ち伏せ、後方支援の破壊といった攻撃を行う戦法を意味するゲリラからです。戦闘の型にとらわれずに戦うという意味からゲリラ・マーケティングと呼ばれます。

 

必要なのは誰もが驚くインパクト

ゲリラ・マーケティングでは、なによりインパクトを大事にします。見る人を惹きつけ、記憶にしっかりと残るような「サプライズ!」を提供することで、口コミで広告が広まることを狙うというのが目的です。ですので、多くの場所に広告を掲載する必要はなく、ほんの数カ所、あるいはただ一箇所に広告を設置するだけで十分、あとはそれを見た人がより多くの人に情報を拡散します。

インパクトを重視することから、購買意欲を掻き立てるというより、こちらの名前を憶えてもらい、商品やサービスが必要になった時に選択肢として検討してくれるための内容にするべきでしょう。

大手広告メディアを頼る必要もなく、さまざまな場所に広告看板を立てる必要もないのでコストを抑えることができます。しかし、実績のある手法・フレームワークに従っていれば完成するような広告と違い、誰も思いつかないようなアイディアがゲリラ・マーケティングには必要です。

 

ゲリラ・マーケティングの手順

まず、路上、学校、駅やバス停、ショッピングセンターなど人通りがあり広告イベントができる場所を探します。そこの場所をじっくり下見して、ここに何があったらみんなが驚くかを考えます。このとき、経験や判断、推量は忘れましょう。ゲリラマーケティングに必要なのは、「どうやったら記憶に残るか」という人間の心理です。

あくまで広告ですので驚きだけでなく、自分の商品・サービスと関連付けなくてはいけません。またお店の名前も分かりやすい部分に書きましょう。その商品・サービスとお店の名前が見た人の記憶の中でしっかり関連付けられ、面白い「ブランド」として認識されるというのが、ゲリラ・マーケティングの目的の一つです。

ある腕時計メーカーがドイツで行った事例では、ベルリンを走るバスの吊り革に腕時計をプリントしました。吊り革に掴まっているとまるで腕時計をしているかのように見えるという仕掛けです。インパクトもありますし、腕時計をしている自分が想像できます。ついつい写メを取ってしまいたくなる面白さもあります。

広告にからめつつ、見た人が思わず笑顔になるようなものが良いゲリラ・マーケティングのあり方です。

 

地域密着のマーケティング

テレビで見る大企業のCMは一目見るだけでお金がかかっていることが分かります。人気俳優が商品を使いながらにこやかに笑い、1分足らずのCMのためにたくさんの人間が時間をかけて企画し、制作しています。インターネットを使ったマーケティングにしても、期間限定のサービスのためにプログラムを組み込んだホームページを作り、さまざまな仕掛けを施し、いろいろな場所にも広告を行う。

使用する広告メディア、関わった人、かかった時間、スタッフの技術、これらが足し算ではなく掛け算でコストに反映されます。数千万、数億、数十億…もちろん、こんな広告マーケティングができるのはそれだけの経営規模を持つ大企業だからです。私たちに大企業のような真似はできませんし、顧客に見込める層と広告を見る層に数の開きがありすぎて、お金の無駄遣いにしかならないでしょう。

小規模な企業では大規模なテレビCMよりも小さなお店の広告とは近くのバス停に広告を置く方が、コストに対してずっと高い効果が期待できます。お店を利用される方はそのバス路線を使う方々になる可能性が高いのですから。狭いエリアの中でお店の対応できるお得意様を確保することが重要です。

 

小企業は大企業を小さくしたものじゃない。

ゲリラ・マーケティングを推奨するアメリカのビジネスライターは「小企業とは、大企業を小さくしたものじゃない」と言っています。大企業は広告にたくさんのスタッフも大量の予算を使えます。予算をかけた広告に失敗しても、次の広告に反映させてよりよりマーケティングを試行錯誤する余裕があります。ですがその予算に見合うだけのたくさんの需要に対応できるだけの基盤が必要です。

小企業は広告にかけられるお金も少なく、数人、もしかすると一人で広告を作らなくてはいけないかもしれません。その代わり、集客したい数はお店が対応できるだけで十分、新規顧客も重要ですが既存の顧客に対してリピーターとなってもらうこともとても重要です。

大企業と小企業では見ている目的が違うのです。

 

ゲリラ・マーケティングは小企業の戦略?

ゲリラ・マーケティングを提唱したジェイ・C・レビンソンは、ゲリラ・マーケティングは小企業や起業家のためのマーケティングとして理論を組み立てたようです。レビンソンは十分にブランド価値のある大きな企業が、インパクト重視で地域限定の広告に頼る意味はあまり無い…と当初は考えられていました。実際に、最初は中小企業のマーケティングとしてアメリカでも実施されていたようです。

先ほど事例としてあげた腕時計のゲリラ・マーケティングですが、実はインターナショナル・ウォッチ・カンパニー(IWC)のブランドであるビッグ・パイロット・ウォッチが仕掛けたマーケティングです。完全に大企業です、英国空軍も愛用した世界に名だたる腕時計ブランドの大手です。

ソーシャルメディアが発達し、個人の楽しさが世界中に拡散する今の時代、ゲリラ・マーケティングの持つ「面白さ」は、大企業の顧客層にあっても有効であるとマーケッターは考えるようになりました。実際に、近年の成功事例は、コカ・コーラやナイキなど世界的大企業の名前ばかりです。中小企業で成果をあげたゲリラ・マーケティングを知った大企業は、その成功事例を学び大企業の戦略として組み立てました。

とはいえ、中小企業(多くの治療院はこのカテゴリーに入ると思います)でも十分に効果を発揮することも間違いありません。新しい方法について、大企業であれば社内で上司など色々な人を納得させなければ実行できませんが、治療院なら先生が「閃いた!」となれば実行できる身軽さがあります。今では大企業でも活用されるゲリラ・マーケティングも、最初は小企業が活用したのは間違いありません。

楽しいアイディアによってコストを超えた成果を出せる、それがゲリラ・マーケティングです。


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