成功する治療院の3ステージモデルその2「接遇ステージ」 | ミッシェル・グリーン

成功する治療院の3ステージモデルその2「接遇ステージ」

カテゴリー:マーケティング
2015年9月2日

治療院の3ステージモデル

患者さまが治療院で先生の施術を受けて、治療院をあとにするまで、3つのステージモデルに分解して考えます。

最初は、「来院前ステージ」。症状で悩む方が、インターネットやチラシなどで先生の存在を知り、治療院に行こうと決意するまで。
次に「接遇ステージ」。患者さまが予約し、家を出て来院、そして施術を受けて料金を支払うまでです。
最後は「来院後ステージ」。施術の結果がどうだったか、満足できたか、また何かあったら来院するべきかなど、患者さまが先生と先生の治療院を評価するステージです。

この3つのステージに分けることで、どこをどう改善するのがいいのか分かりやすくなります。前回は「来院前ステージ(*前記事リンク)」について解説しましたが、今回は3つのステージの2つめ、「接遇ステージ」について解説していこうと思います。

 

直接患者さまと触れ合うステージ

接遇ステージのメインとなるのは、もちろん患者さまに施術をし、症状を改善することです。接遇という言葉の意味は、接客の技術のことを指します。接遇ステージは接客ステージと考えてもいいでしょう。

患者さまが先生と直接コンタクトを持ちますので、ここで患者さまと先生との関係が決定づけられることになります。施術もそうですが、待ち時間、院内の雰囲気、スタッフの姿勢、さらには待合室の他の患者さまの様子など、さまざまな要素が影響します。

 

「真実の瞬間」

サービス業で重要視される考え方に「真実の瞬間」というものがあります。元々は「La hora de la verdad」という聞きなれない言葉で、闘牛士が闘牛にトドメを指す瞬間を指すスペイン語の言葉だそうです。

赤い布で闘牛を挑発する闘牛士の狙いは、牛の背にある5センチメートル四方の「針の穴」と呼ばれる、人間よりずっと大きく、そしてずっと力強い闘牛の筋肉と骨格の鎧の隙間を縫うようにして剣先は心臓に到達し、一撃で絶命できる急所を貫くこと。「真実の瞬間」とは「針の穴」へ闘牛士が接触する刹那、闘牛士と闘牛の生死を分かつ決定的な「真実の瞬間」を表しているのです。

サービス業では、顧客とスタッフ、治療院で言えば患者さまと先生、あるいはスタッフが直接交差する時間が「真実の瞬間」となります。これは治療院の中だけでなく電話での問い合わせも含みます。

真実の瞬間には、「患者さま」と「治療院のスタッフ」しか存在しません。先生と先生のスタッフの技術やモチベーション、患者さまの期待と行動が出会うことで、治療院での施術が完成します。同時に、患者さまが治療院に対してどのような評価を持つのか、満足することができたのかも決定されます。

注意しなくてはいけないのは、「真実の瞬間」とはこの瞬間だけ頑張ればいいというものではなく、ホームページやスタッフへの研修などあらゆる要素が「真実の瞬間」に集約されて、患者さまへの満足度という結果につながるというものです。患者さまにとっても治療院にとっても最良の「瞬間」となるように、治療院のシステムを作り上げていきましょう。

 

コンタクト・レベルの違い

インターネットで有料で情報を検索できるサービスは直接顧客とサービス提供側が関わることがほとんどありません。同じ物を修理するサービスでも、郵送で修理をするサービスと直接会って説明するなどしながら修理を依頼するサービスとでは、顧客とコンタクト(接遇)するレベルが違います。それによってハイ・コンタクト・サービスやロー・コンタクト・サービスなどと呼びます。

治療院はもちろん、コンタクト・レベルは最高のハイ・コンタクト・サービスになります。ハイ・コンタクト・サービスと呼ばれる業種の中でも、トップクラスに顧客(患者さま)と密接にコンタクトする必要があります。

 

治療院はハイ・コンタクト・サービス

ハイ・コンタクト・サービスでは、顧客はサービスが提供される間、継続してサービス提供者と接触します。顧客はサービス提供者から直接具体的なサービスを受け、サービス施設を訪れて、サービスを受ける際には、サービスを生産する工程に組み込まれます。

このような言い方をするとピンとこないかもしれませんが、治療院では先生と患者さまが一緒になって身体を治療していくという考え方です。患者さまは先生と一緒でなければ身体の改善というサービスは完成しません。ハイ・コンタクト・サービスでは、物理的な環境、整った治療院の設備やインテリアだけでなく、対応するスタッフとの関わり方も患者さまにとって印象深いものにすることが重要です。

 

患者さまが治療というサービスに参加することの影響

治療というサービスを完成させるためには、患者さまが参加することが不可欠ですが、そのことがマーケティングという視点から見た時どのような影響を与えるのでしょうか?

なにより患者さまの行動によってサービスの品質に影響を与えることがあるというのが特徴です。そのため、患者さまに情報を提供し最適な行動を誘導して、一緒になって治療を完成させるという意識が、患者さまに満足してもらうためには必要ということになります。

 

話は変わりますが、歯医者を利用したことはありますでしょうか?

歯医者も治療院と同様に、患者と歯科医がいなければサービスは完成しません。

歯医者では、「痛かった時は手を上げて」とよく伝えられます。実際手を上げても、「もうちょっと我慢してね」と言われることも多いのですが、これは痛かった時に声を上げることで顎が動いて手元が狂ったり、身体を動かして治療が中断することを防ぐことにもなります。歯の治療というサービスの品質を上げるために、「こういう場合は、こういう行動をとってほしい」とあらかじめどういう行動を取るか情報を伝えて誘導することができます。

情報提供の仕方にも重要な要因があります。特に、患者さまが経験したことやテレビや本などでどういうものか理解していない(治療院の施術にはそういうものが結構あると思います)サービスであれば、色々な方法で情報提供するようにしましょう。会話で伝えるのはもちろんですが、ジェスチャー、院内の張り紙、ホームページなど、患者さま一人一人が分かりやすい情報提供の方法に対応できるようにすると効果的です。

機械を導入する治療院も増えてきておりますが、機械について分からないところがあったときにすぐに呼ぶことのできる、手の空いたスタッフがいると患者さまは安心します。患者さまが何をすればいいのかわからない時、患者さまは不安を感じます。情報提供をしっかりすることで患者さまの満足度は上がります。

 

スタッフが役割を理解する

ここで言う役割とは、最適な効率で成果を上げるために一人一人がやるべき行動のことです。一人院長である先生は、この役割をすべて一人でこなさなければなりませんが、スタッフを使っていらっしゃる先生はそれぞれのスタッフにやって欲しい治療院での役割を割り振っているでしょう。この役割を十分果たせるかが、治療院の生産性、そして患者さまが満足するために重要な要素です。

役割を効率的に果たすための教育として有効なのは、台本(マニュアル)を作ることです。施術の内容自体は臨機応変さが必要で、厳密なマニュアルは作れないかもしれませんが、接客部分に関してはある程度決められた順序の通りに対応することで解決することもあります。

マニュアルは先生が理解しておられるサービスと、スタッフの理解の溝を埋めることにもつながります。先生がスタッフの一挙一動を見守るのは非効率的ですのでスタッフに任せられることは効率化につながります。スタッフ先生の考えている通りに動けるようになるというのは治療院の生産性と満足度を上昇させます。

 

接遇ステージは期待に応えるステージ

接遇ステージは来院前ステージ作られた期待に応えるステージです。ここで応えられたかどうかが、患者さまが先生と先生の治療院に対してどう感じたかという評価につながります。高い評価と満足度を得るためには接遇ステージでの対策を来院前ステージとを密接に連携させることがなにより効果的です。

ホームページは集客のためだけのツールではなく、実際に治療院に満足したかにも大きな影響を与えることになります。うまく活用できれば、集客するだけでなく、ホームページを見て来院された患者さまたちに感動を与えることすら可能なのです。


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