価格弾力性、あなたの市場はよく弾みますか? | ミッシェル・グリーン

価格弾力性、あなたの市場はよく弾みますか?

カテゴリー:マーケティング
2015年10月16日

物理の世界では、弾力性とは弾んだり、歪みを吸収し蓄える性質のことを言います。よく跳ねるスーパーボールなんかが、弾力性が高い物質です。価格弾力性も、この物理の性質から名付けられたもので、価格の変化に対して、よく弾むのか…つまりよく変化するかという性質を明らかにするための考え方です。

 

価格弾力性とは?

買おうとしている商品が値上がりしたら、顧客は買うのを躊躇するようになります。つまり、価格の変化に対して、需要量が減少するようになるのです。「価格弾力性」とは、価格の変化量に対して、需要がどのように変化するのか比率を示すものです。

計算式は以下のようになります。

価格弾力性=重要の変化率(%)÷価格の変化率(%)

例えば、腰痛改善のメニューの価格を10%値上げしたときに、利用者の方々が5%減少したとすると…

0.05÷0.1=0.5

となり、価格弾力性は0.5であるとなります。

この価格弾力性が1より大きいと、「弾力性が大きい」といい、1より小さいと「弾力性が小さい」といいます。価格弾力性1とは、例えば価格が10%下がったら需要もきっかり10%下がるような状態です。弾力性が大きいならば、10%下がったらそれより大きく需要の変化が起こり、弾力性が小さいなら小さな需要の変化が起こります。

一般的にお米や消耗品など生活必需品、代替品の無い商品は価格弾力性が小さく、アクセサリなど贅沢品や高価なものは価格弾性が大きいとされています。

 

価格弾力性をどう活用するか

価格弾力性の求め方はわかりましたが、この価格弾力性をどのように使えばいいのでしょう?

まず、施術の価格戦略に取り入れることが考えられます。先生の治療院のある地域市場が価格弾力性の大きい市場であれば、低価格戦略を行うことでより多くの利用者を集めることができます。逆に弾力性の小さい市場であれば、高品質戦略を行って、施術の内容で勝負する方が効果的と考えられます。

値下げ戦略が有効かという指針にもなります。価格弾力性が大きいならば、値下げ戦略は非常に有効です。逆ならば、闇雲な値下げは先生と先生の院への負担が増えるだけで、効果が薄くなるということになります。

もちろん、コストや競合などさまざまな要素が絡みますので、価格弾力性だけで価格戦略を決定するのは危険ではありますが、一つの指針として活用できると思います。

 

国の経済学者も使う価格弾力性

治療院のマーケティングからは少し話が外れますが、実は税金と価格弾力性は浅からぬ関係があります。

増税対象として、たばこ増税の話はいつも話題になります。最近はまた、たばこ増税1,000円という話題が盛り上がっています。大義名分として、健康促進のためにたばこを止めさせるというのが増税の根拠の一つで財政改善は二の次ということなのですが、これを価格弾力性の視点から見てみましょう。

たばこは贅沢品ですので、価格弾力性は大きいと考えられます。ですので、価格が上がれば需要は大きく下がり、たばこを止める人が増えると想定できるわけです。税収の面から見ると、需要が下がれば税収は下がりますので、財政改善には効果が薄いということになります。これで実際に価格弾力性が大きい市場であるなら、たばこ増税政策は政府の目的に合ったもの、ということになります。

では実際のところ、たばこ市場の価格弾力性はいくつかというと、2010年の増税のときの結果は0.3だったそうです。
……やっぱり財政改善がメインかもしれませんね。

価格弾力性が小さいということは利用者にとって必需品に近いということです。税収の面から考えると、価格弾力性の大きい100万円の宝石に1万円の税金をかけるより、価格弾力性の小さい100円の野菜に1円の税金をかける方が効率が良いということになります。値段が上がっても買わざるをえないものに重く課税するのが、効率のより手法ということになります。

この考え方をラムゼイルールと呼び、「市場のメカニズムを阻害しない(需要を変化させない)」という原則にも則したものです。とはいえ、これは生活必需品を必要とする低所得者層により重い負荷を強いるということになりますし、欧米諸国でもラムゼイルールに従わず、社会安定重視の贅沢品に重い課税をかけることが多いです。

価格弾力性に従い、市民の生活を重視するという考え方です。効率か公平さか。国家だけでなく我々経営に携わる者にとっても、大切な考え方です。このように、ある意味最大の経営である、国家経営においても価格弾力性の考え方は重要視されています。

 

まとめ

価格弾力性は、「需要」と「価格」という重要な要素に密接に関わるものです。個人経営の院も、分院をいくつも持ち、たくさんのスタッフを抱える院も、そして大企業や国家でさえも、価格弾力性に注目して、経営戦略を考えることは効果的なやり方です。

最後に価格弾力性を計算するサイトをご紹介します。価格弾力性の考え方を使い、効果的な価格戦略を目指しましょう。

http://keisan.casio.jp/exec/system/1369984529


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